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堀 雅夫
日本機械学会誌, 65(520), p.656 - 658, 1962/00
有機物を原子炉の冷却材、減速材として使用する考えは、原子力開発の初期のころからあったが、本格的な研究が行なわれ出したのは1953年ごろからである。1956年にはアイダホ州の原子炉試験場で実験炉OMREの建設が始められ、1957年に臨界に達した。引読いてオハイオ州ピクワ市に動力試験炉PNPFが、また原子炉試験場に実験炉EOCRが建設されている。そのほか実験炉、原形炉、動力炉、船用炉等が各国で計画されている。これら有機物冷却(減速)炉の研究開発は、主としてアメリカのノースアメリカン航空会社の原子力部門であるAtomics International(A.I.)社によって行なわれている。
森島 淳好
日本機械学会誌, 65(520), p.662 - 665, 1962/00
液体金属炉はナトリウム等の液体金具を冷却材として使用する液体金属冷却炉と、LMFRのように液体金属の中にウランを数百ppm溶かし込んで、液体金属それ白身を燃料体とする液体金属燃料炉に大別され、前者は更にSGRのような熱中性子炉とエンリコフェルミ炉のような高速中性子増殖炉に分けられる。動力用高速炉の冷却材としては熱伝達特性がすぐれ、しかも減速効果の小さいものが要求されるので、液体金属をおいて他に適当なものがなく、高速炉は液体金属の特性を最も有効に使用したものと言えるが、液体金属を冷却材として扱う技術の点では熱中性子炉と同様に考えてよいし、熱中性子炉において開発された技術は、高速中性子増殖炉にとって重要な寄与をすることになるであろう。
鳥飼 欣一; 大内 信平
日本機械学会誌, 65(520), p.666 - 670, 1962/00
われわれが半均質炉というとき、その定義は明らかではないが、固体減速材中に核分裂性物質を均一に分散したものを燃料とし、主としてこれと減速材とよりなる炉を本文では便宜上半均質炉と称する。半均質炉の構想は古くはF.Danielsにより1944年にたてられ、約2年ほど研究された。その後、イギリスHarwell研究所のFortesqueによって1956年ごろより研究が進められ、これは1959年、ヨーロッパ原子力機関(ENEA)の共同原子力開発計画の一つとしてとりあげられ、12箇国の参加のもとにDragon Projectと名づけられ、1960年4月建設を開始した。熱出力20MWであるが電力はつくらない。